
「次こそは」を積み重ねて 磨き続ける、審判の道
社会人野球の二大タイトルの一つ「都市対抗野球大会(東京ドーム)」で、関東地区代表として球審を務めた岩本博明さん。昨年は、もう一つのタイトル「日本選手権(京セラドーム)」でも球審を務めており、2年続けて全国の大舞台に立ちました。日本選手権に派遣されたのは、県内で11年ぶり、都市対抗で球審を務めたのは、50年ぶり2人目、矢板市では初めての快挙です。
幼い頃、父の影響で野球を始め、高校時代には甲子園を目指して白球を追いかけました。社会人チームでプレーしていた36歳の時、審判員不足をきっかけに、今度は審判として野球に携わる道へ。細かなルールや新たな知識を学び続ける必要があり、始めた頃は先輩や指導員から何度も厳しい指摘を受けたと言います。それでも「次こそはしっかりやろう」と前向きに受け止め、一つ一つ経験を積み重ねてきました。そして、昨年の日本選手権では、記録に残る完全試合を球審として経験し、今年は都市対抗の球審に抜てき。「緊張したが、試合が始まれば自分の役割を果たすことに集中できた」と岩本さん。試合時間も2時間を切るなど、スムーズな試合進行にも手応えを感じ、「自分としても悪くない出来だった」と振り返ります。
現在、市や県の野球連盟では、審判員の高齢化で次代を担う人材確保が課題となっています。「自分の知識や技術を若い審判員に伝え、県全体の底上げにつなげたい」。そんな想いから岩本さんは、審判員の育成や成り手不足の解消を目指し、県連盟の審判技術指導員を務めながら、軟式野球の審判技術指導員になるための講習を受けています。さらに、公認コーチ資格を取得し、子どもたちの野球にも携わるなど、これまで培ってきた経験を地域に還元しています。
36歳から始まった、もう一つの野球人生。「次こそは」と積み重ねてきた経験を、今度は次の世代へつないでいきます。
