世の中にはさまざまな仕事があり、ユニークな生き方をしている人がいます。
おもしろい大人にインタビュー、図鑑にしていくコーナー。
たくさんの大人から、元気と勇気、生きるヒントをもらってください。
「君たちは何でもできる!君たちは何にでもなれる!」
| 名前(なまえ) | 牟田口 徳子 |
|---|---|
| 生息地(せいそくち) | 室津志田 (北九州市八幡生まれ) |
| 年齢(ねんれい) | 50歳 |
| 職種(おしごと) | いちご農家 |
| 趣味(しゅみ) | 旅行 |
寒波襲来の日の午後、快晴の空のもと志田に取材に訪れました。
■ 志田に嬉しいニューフェイス
みかさん:はじめまして。ある時から志田にハウスが出来たことに気付き、どなたか移住してきたのかな?と思っていたんです。牟田口さんだったんですね!でもなぜ上関町の志田に?
牟田口さん:私たち夫婦は退職後に田舎に引っ越すのもいいねと考えていまして、旅をしながら良い地域と空き家を探していました。でも九州では見つからず範囲を広げて山口県でも探すことに。周防大島に物件を見に行くついでに上関町にも寄ることにしたんです。そして志田を訪れた瞬間「ここがいい!」と即決。直感というか一目惚れというか、海の景色といい、家庭菜園ができるような土地といい、私の希望にピッタリでした。
みかさん:ビビっときたんですね。志田には慣れましたか?
牟田口さん:最初の頃は夜中がシーンと静かすぎて眠れませんでしたが(笑)、すっかり慣れました。以前住んでいた戸畑とは時間の流れが違い、心のゆとりもできたように思います。
■ きっかけは突然に
みかさん:いちご農家を始めたきっかけは?
牟田口さん:13歳年上の夫は、両親の介護を経て最後に父を見送って、退職を迎えました。夫は町と志田に馴染もうと一足先に一人で移住していたのですが、たまたま役場の方に「いちご農家を始めてみないか」とお声がけいただいたのが最初のきっかけかな。
しかし、農業次世代人材投資事業という、研修期間や経営開始時の資金支援が利用できるのは49歳以下まで。年齢制限内ギリギリだった私が受けることに決めました。同時に上関町の人材研修事業制度も利用させていただきました。
みかさん:移住と同時に思い切った決断、大きな人生のターニングポイントでしたね。
牟田口さん:はい。私も22年間働いてきたビル管理清掃会社を退職して移住し、いちごの栽培についてゼロから学び始めることになりました。令和5年の1年間は、防府の山口県立農業大学校にて10代20代の学生と寮生活をしながら学び、翌令和6年は光市のいちご農家さんに通って実践的な栽培の研修を受けました。
そして令和7年、志田の我がハウスにて自力での栽培がスタート。12月に初めて出荷できたところです。
みかさん:それは感慨深かったことでしょう!
そもそも牟田口さんはどのような子ども時代を過ごし、どんな夢があったのですか?
牟田口さん:私は三姉妹の三女で、生まれた時から喘息があり病弱でした。10歳まで生きられないだろうと言われていた私を鍛えるために、両親は水泳や陸上をやらせてくれ、なんとか元気に過ごせました。子どもの頃の夢は大学進学後会社に就職し、きれいな服を着こなした秘書になることだったかな。高校は商業系で、卒業後は親族の会社に就職、その後にビルの管理会社に転職しました。
みかさん:職種は異なれど、今はいちごの秘書ですね!
いちご農家の仕事内容を教えてください。
■ いちご農家の1年と1日
牟田口さん:現在、収穫と出荷の真っ只中ですが、収穫は12月から始まり5月いっぱいまで。4〜5月には次年度のいちごの苗を別のハウスで育て始めます。育った6,300本の苗を9〜10月頃にいちごハウスに植え替え世話を続け、再び12月の収穫時期を迎える流れです。
みかさん:1年間を通じ目を離せないお仕事ですね。
牟田口さん:はい。収穫の時期は早朝2、3時から収穫を始めます。収穫→選別→パック詰めをして、道の駅上関海峡に出荷。その後帰宅して再び収穫、午後の出荷の準備をします。
収穫と同時に未熟な実を間引く摘果作業もするので、収穫シーズンは1日中ずっとですね。
みかさん:私も実際にハウス内を拝見し、いちごがこんな勢いで育つのか!と驚きました。これは手がかかりますね。
牟田口さん:はい。いちごは温度・水・光の管理が難しく、それによって収穫量も変わります。今期は想像していたより生育が良かったですが、出荷ピークの12月に夫婦二人では収穫が間に合わなくて…。来年度はまた試行錯誤しようと思います。
みかさん:細かい管理も大変なんですね。それにしてもかわいくて美味しそうないちご!
牟田口さん:白い花が咲いて、実がなり、大きく赤くなっていく姿が愛おしくて、思わずこの子と呼んでしまいます。道の駅でいちごを買ってくれた町の人が「美味しかったよ!」と言ってくださるのがまた嬉しくて。いちごが繋いでくれる人のご縁です。
みかさん:今後の目標はありますか?
牟田口さん:地域の活性化にも興味があるので、町の観光を盛り上げるためにも立ち寄れる場所を志田に作りたいです。まずはいちごがきっかけとなって、野菜やみかんも販売できる直売所ができたらいいなと考えています。
■ 子どもたちにメッセージ
牟田口さん:何をするにも簡単なことはありませんが、楽しむことを忘れずに挑んでほしいです。キツくても楽しんでやると、作業もはかどります。私は、このプラスの思考で楽しんで、いちご農家を頑張ることができています。
編集後記
ご両親を介護し見送った後に移住してきた牟田口さんご夫婦。お二人の第2の人生のスタート地点が上関町だなんて、嬉しいではありませんか。
可能性はいくらでもあると言われていたとおり、楽しみながら人生を広げている徳子さん。これからも徳子さんのいちご愛あふれる美味しいいちごたちを楽しみにしています!
