男女共同参画懇話会会員 滝野 功久
異文化の体験とは、一番身近なところでは、異性を通して感じられる世界の違いに気づくことと言えるでしょう。この感覚を踏まえ、私たちが目指す「男女共同参画」について改めて考えてみましょう。
「男女共同参画」は、国連の「持続可能な開発目標= SDGs」の 5 番目のテーマであり、そこで掲げられる標語は「男女平等」ですが、正確には「ジェンダー平等(Gender Equality)」を意味します。しかし、日本語の「ジェンダー」は、その意味や範囲を理解するのが簡単ではありません。さらに、LGBT、クィア、アンコンシャス・バイアスなど英語の略語やカタカナ語が次々と出現し、多くの人は戸惑うばかりです。
そこで私は、「ジェンダー平等」という難解なテーマに先んじて、SDGsで広範囲に関わるテーマである「生物多様性」を基盤とした「多文化共生」から考えることが現実的と考えるようになりました。異文化と共に生きる道を探る方が、地域の課題や未来を具体的に想像しやすいからです。
御嵩町は近年、県内でも 5 番目に外国人が増える地域の一つとなっています。関係人口も含めるとさらにぐっと多くなり、確かに街中では外国人の姿はもはやありふれたものになっています。また、東濃高校では外国にルーツを持つ生徒が全体の約6割を占めています。
しかし、町民と外国人との交流はほとんどない状態です。彼らはせっかく日本にいるのに、日本人とは職場や学校だけの限られた範囲の付き合いしかなく、地域住民との触れ合いを持てずに残念に感じている人は少なくありません。少しは交流して、お互いを知り合ったら、双方にとってどれだけプラスになるか…そんな想いを、私はずっと抱いていました。ところが、ここにきて、急に事態が変わろうとしています。令和8年度より交流プロジェクトが新たに始まったからです。
「MiNiCafe」(7ページ参照)と呼ばれるものです。この場は単に「外国人に日本のことを教える」だけではなく、私たち自身が彼らから学び、自分の知らない世界に生きる人々との共生の道を考え合う場にしようというものです。この考え方は「男女共同参画」の理念に繋がっていくものです。ジェンダー平等の目標は、自分と異なる存在を理解し受け入れようとすることで、これは多文化共生の基盤でもあります。多文化共生は SDGsの根幹にある「持続可能な社会づくり」の重要な一部なのです。
外国人との交流や共生は今後、日本全体にとって、ますます重要なテーマになっていくのは間違いないでしょう。御嵩町は既にその大きな波を受けているわけです。しかし、これは災難どころか、この町にとってものすごい資源であり、新しい展開の元となるものです。
御嵩町には、かつて中山道で多くの人や物資が行き交い、好奇心をもって多様な文化を吸収し発展してきた伝統があります。異文化交流も決して難しいことではないでしょう。また、産業廃棄物処理場に関する住民投票を全国で初めておこなった町としても知られ、この町には、自慢できる「挑戦の歴史」があります。この新しい時代の課題にも自信を持って取り組んでいけるのではと思います。
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