松尾医院 松尾 圭
以前、受動喫煙について記事を書かせてもらいました。喫煙する人の絶対数は減っていますが、喫煙する人のマナー問題はずっと残っています。屋外だから大丈夫という考えは、喫煙しない人には通用しません。官公庁や文教施設周辺での灰皿設置問題も未解決のままです。公共施設周囲の灰皿撤去、歩きタバコ禁止、ポイ捨て禁止などの条例策定に真剣に取り組んで欲しいと思います。
最近の話題ですが、2018年にタバコは嗜好品では無くなりました。広辞苑やウィキペディアなどでは、「嗜好品」のリストからタバコが消えたのです。医学的側面から日本循環器学会等の9学会は、嗜好ではなく病気としています。禁煙ガイドラインでは、喫煙は「喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)」という全身疾患であり、喫煙者は“積極的禁煙治療を必要とする患者”と認識されています。喫煙は習慣ではなく、ニコチン依存症という病気なのです。喫煙による様々な病気を予防する事も大切であり、副流煙などによる周囲への悪影響も防止する必要があります。受動喫煙(二次喫煙と三次喫煙)について整理します。
二次喫煙
副流煙と喫煙者が吐き出す呼出煙(粒子とガスの混合物)を吸わされる事
三次喫煙
残留タバコ成分。別の場所で吸ってきた人の呼気に含まれるガスを吸わされる事
加熱式タバコの話題です。タバコの葉っぱを装置で熱するのを加熱式タバコと言い、電子タバコはタバコの葉っぱを使っていません。現在日本国内で普及しているのは加熱式タバコの方です。加熱式タバコの一番の特徴は、低い温度帯でタバコの葉っぱを加熱しているので、燃焼による一酸化炭素などの有害化学物質の発生量が抑えられていると考えられています。しかし、ニコチン量は加熱式と紙巻きタバコでは同等であり、発がん物質のタバコ特異的ニトロソアミンについては、加熱式タバコの製品によっては、紙巻きタバコと同等の含有量です。つまり、ニコチンの暴露量は加熱式であっても変わらず、禁煙目的で加熱式タバコに替えても難しいと考えられます。意を決して禁煙する事が大切であり、ニコチンガムやニコチンパッチなどを活用する事もできます。大切な人を三次喫煙(タバコ臭)から守るため、本気で禁煙を考えましょう。
