今回は、東京でのアシスタント経験を経て地元・上市町でプロカメラマンとして活動されている黒田さんにお話を伺いました。
フォトグラファー 黒田 将城 さん
くろだ まさき
1995年生まれ、三日市出身。
高校卒業後、滋賀県の芸術系大学へ進学しイラストレーションを専攻。大学卒業後は東京で会社員を経験。
その後、ファッション系カメラマンに弟子入りし、2024年に独立、上市町へ帰郷。
現在はプロカメラマンとして、富山の情報誌の撮影など多方面で活躍中。
Instagram:@masakikuroda_ph
直感を信じて選んだ道
人生の分岐点は、高校2年生の時の「コース選択」にありました。正直に言えば、当時は深く考えず、直感的に「おもしろそう」と美術コースを選び、卒業後も「表現の道を歩みたい」と、滋賀県の芸術系大学へ進学し、イラストレーションを専攻しました。そこで初めてカメラに触れ、自分の世界を表現する撮影に興味を持ちました。
大学卒業後は都会の空気を知るために東京へ。WEB系の会社に勤め、初めてのボーナスで買ったカメラを手に、夢中で旅先や街の風景を撮り歩きました。会社員としての生活に物足りなさを感じ、「このまま会社員として定年を迎えるのは嫌だ」——その一心で、ファッション誌で活躍する師匠のもとへ飛び込みました。
数万円もする衣装や時計などを日常的に扱う現場。そこで培われたのは、単なる撮影技術だけではありません。「なぜこの構図なのか」「なぜこのデザインなのか」と、物の価値や意図を深く読み解く思考力と観察眼でした。東京の最前線で「本物」に触れた経験は、僕の感性を大きく広げてくれました。
形に残る「価値」を
独立し、富山に戻ってからは、「富山といえば、あの雑誌だ!」と発行会社へ自らポートフォリオを持って売り込みに行きました。
2025年初めから撮影に携わり、2026年2月号で初めて表紙を担当したことは一生忘れません。コンビニの棚に、自分の撮った写真が並んでいるのを見た時の感動……。「形に残る媒体に関わりたい」という夢が、故郷で叶った瞬間でした。
今はスマホで誰もが簡単に写真が撮れる時代です。だからこそ、プロとして「この人にしか撮れない」と言われる存在でありたい。全国誌とは違い、地方誌の撮影は限られた時間の中でベストを尽くす「ライブ感」があります。地方では「人との距離の近さ」や「現場の温かさ」が魅力的であり、その一瞬を切り取ることに、今は大きなやりがいを感じています。
4月には、僕自身初となる写真個展を開催します。仕事としての写真だけでなく、自分自身の「個性」を貫いた表現を、皆さんにも見ていただけたら嬉しいです。
上市町に「思考の場」を
東京に6年いて痛感したのは、地元の圧倒的な環境の良さです。
コンクリートジャングルにいると、心が疲れてしまうこともある。でも、上市町には広い空と雄大な山があり、人との温かい距離感があります。僕にとって、この環境こそが創作の源です。
今、上市町では写真館が少なくなっています。家族の記念日を素敵に残せる場所や、レンタルスタジオを作りたい。さらにそこを、ただ撮る場所ではなく「表現を学ぶ場」にしたいと考えています。
「なぜこのデザインがいいのか?」
「なぜこの写真が選ばれたのか?」
そうやって裏側にある理由を考える「思考の場」があれば、上市の若い人たちの可能性はもっともっと広がるはずです。
僕自身、「苦手なものを我慢してやるより、好きなことをやりたい」という直感から始まった道でしたが、好きなことを貫いたからこそ今があります。「地方だからできない」なんてことはありません。上市の美しい景色と、そこに住む皆さんとの関わりを大切にしながら、「上市のカメラマンといえばあの人だよね」と言われる存在になって、この町に恩返しをしていきたいと思っています。
文・辻愛美
黒田将城 写真展「UNSEEN」
2026年4月18日(土)~19日(日)
会場:余白村と猫(富山市総曲輪)
アーティストの撮影風景
建築の撮影風景
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