
高齢化率 44.1%の時代へ
本市では、人口減少が進む一方、高齢化率(人口に占める 65 歳以上の人の割合)は、2025 年の 36.5%から 2040 年には 44.1%になると見込まれ、高齢者のみで暮らす世帯もさらに増えていくと考えられます。
住み慣れた地域で、いつまでも自分らしく暮らしたい――。そんな思いがある一方、年齢を重ねるにつれて、買い物やごみ出し、外出など、日々の暮らしの中でちょっとした困りごとが出てくるのも現実です。そんなとき、力になるのが身近な地域のつながりです。
一緒にお茶を飲んで笑ったり、ちょっとした困りごとに手を貸したり。本市には、無理をせず、楽しみながら続けられる支え合いがあります。
今月号では、第 2 層協議体や地域のサロンなどを訪ね、地域に広がる「おたがいさま」のカタチを紹介します。
第 2 層協議体って、知っていますか?
本市では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、生活支援コーディネーターによる「生活支援体制整備事業」に取り組んでいます。この事業には、役割の異なる 2 つの協議体(会議体)があります。
- 第 1 層協議体:市全体で支え合いの仕組みを考える
- 第 2 層協議体:地域の身近な困りごとを話し合う
第 2 層協議体は、より住民の生活に密着した現場視点での課題解決を担っています。ここで拾い上げた地域の声を、第 1 層協議体へつなぐことで、市と地域が一体となった強固な支え合い体制をつくっています。
本市では、矢板・泉・片岡の 3 地区に第 2 層協議体が設置されており、それぞれの地域に合った支え合いのカタチを日々考えています。
話し合いから、カタチへ。
地域が違えば、暮らしの中の困りごとや、必要とされることもさまざま。第 2 層協議体では、それぞれの地域の声をもとに、「自分たちにできること」をカタチにしています。矢板・泉・片岡地区の取組を紹介します。
矢板地区 助け合いの会「やさしい手」


及川 健二さん
地域の「困った」を、少しでも
「困ったときにどこに頼めばいいのか分からない」という声を受け、市内の企業などに協力を呼び掛けて、令和 6 年 4 月に「ちょっと頼みたい有償サービス」をとりまとめました。利用状況に合わせて、現在も内容を更新しています。活動を通して、地域の「困った」を少しでも減らしたいですね。住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、これからもみんなで知恵を出し合いながら、できることを増やしていきたいと思います。
泉地区 ぼっちの会


佐々木 節子さん
泉の宝は、「人と人のつながり」
はじめは地域の困りごとについての話し合いが中心でしたが、活動の中で、昔からある人と人とのつながりが泉地区の魅力だと再確認しました。困ったときに声を掛け合い、自然と助け合う。そんなつながりこそが、「泉の宝」です。今は「地元の宝探し」をテーマに、当たり前にあることでなかなか気付かない助け合いや支え合いを地域の「宝」として、もっと多くの人に知ってもらう活動をしています。
片岡地区 ささえあいの会


小坂 三喜雄さん
活動すると、地域の見え方が変わる
年間計画を立て、地域の課題や関心に合わせて活動しています。8 月には、市の出前講座を利用して、デマンド交通の説明会を開催しました。身近な移動手段の話ということもあり、多くの方が足を運んでくれました。私自身、活動を通して地域を知る機会が増え、今までとは見えるものが変わりました。まだ参加したことがない人も、都合のいいときにふらっと来てもらえたらうれしいですね。みんなで片岡をもっと元気に、暮らしやすくしていけたらと思います。
集まる、笑う、つながる。
地域には、気軽に集まり、おしゃべりをしたり、体を動かしたりしながら、楽しい時間を過ごせる場所があります。顔を合わせ、笑い合う。そんな何気ない時間も、人と人とのつながりを育んでいます。
各地区で開かれている高齢者サロンと、泉地区の交流の場「いこいず」を訪ねました。
身近な地域で、気軽に集まれる場所 『きらきらサロン』
きらきらサロンは、高齢者や支援が必要な方など、誰もが気軽に集い、交流できる地域の居場所です。現在、市内 28 カ所で開設されています。
お茶を飲みながらのおしゃべりや軽い運動、レクリエーション、料理、手芸、工作など、サロンごとにさまざまな活動を楽しんでいます。また、希望する団体には、出前講座も実施しています。
きらきらサロン(高齢者サロン) – 栃木県矢板市公式ウェブサイト


大人の学校がコンセプト 『泉常設型サロン いこいず』
「いこいず」は、「大人の学校」をコンセプトに、令和6年4月に泉地区にオープンした常設型のサロンです。いこいずカフェや、e スポーツ、手芸など室内で楽しめる活動から、グラウンドゴルフやダンスなど体を動かす活動まで、楽しみ方はさまざま。自分の興味や体力に合わせて、好きなことに挑戦できます。
泉常設型サロン「いこいず」について – 栃木県矢板市公式ウェブサイト



運営ボランティアの声

長堀 企惠子さん
「いこいず農園」の管理・運営ボランティアをしています。畑仕事は初めてでしたが、経験者の方に教えてもらいながら、土作りから挑戦しています。家ではできないことに挑戦でき、いろいろな人と交流できるのが、いこいずの魅力です。活動する時間が楽しく、やりがいを感じています。
あなたの暮らしに、こんな支え。
ごみ出し支援事業
ごみ出しを、ちょっとお手伝い
利用料は 1 回 100 円。地域の「ごみ出し応援隊」がサポートします。応援隊も随時募集中。
高齢者等給食サービス
お昼ごはんと、安心を届けます
昼食を届けながら、70 歳以上の一人暮らしの方などを見守ります。
愛の訪問事業
いつもの訪問が、見守りに
ヤクルトスタッフが自宅を訪問し、ヤクルトを手渡ししながら、80 歳以上の一人暮らしの方を見守ります。
LINE 高齢者見守りサポート
離れていても、LINE で見守り
毎朝メッセージが届き、2 日以上返信がない場合は、登録した家族にアラートが届きます。
お元気ポイント事業
楽しみながら、ポイントが貯まる
ボランティアなどの活動でポイントが貯まり、入浴券や商品券などに交換できます。
シニアクラブ
仲間と一緒に、元気に楽しく
スポーツや社会奉仕、文化活動などに取り組む交流クラブ。
高齢者~利用者メニュー/矢板市社会福祉協議会
幸齢課 – 栃木県矢板市公式ウェブサイト
だから、おたがいさま―――。

年を重ねるのは、みんな順番。今は元気に誰かを支えている人も、いつかは誰かの力を借りる日が来るかもしれません。だからこそ、その「いつか」まで、地域とつながりながら、今を楽しんで暮らすことも大切です。
無理はしない。できる人が、できる時に、できることをする。誰かのためだけではなく、それが自分自身の楽しみにもなっている。取材先で出会った皆さんの笑顔から、そんな支え合いだからこそ、長く続いていくのだと感じました。
支える側、支えられる側と分けるのではなく、困った時は「おたがいさま」。そんな関係が少しずつ広がっていくことが、これからも安心して暮らせる地域につながっていきます。
問い合わせ/幸齢課 ☎(43)3896
社会福祉協議会 ☎(44)3000
