
地域プロジェクトマネージャー 明平 冬美
4月から地域プロジェクトマネージャーとして活動している明平です。3月までは地域おこし協力隊として、主に生態系公園で開催するカタマルシェや、県立大との連携、村の事業をお手伝いする等の活動をしていました。
現在は、地域のさまざまな人や行政、企業などと連携しながら地域の課題解決や新しい取り組みを進めていく地域プロジェクトマネージャーとして「生態系公園」の運営や今後の活用を中心に、公園の新たな可能性を形にしていく活動を進めています。
生態系公園は、約15haの広い園内に、秋田県のさまざまな自然環境を再現した森や芝生、温室などを有する、大潟村にとって大きな地域資源です。一方で、施設の老朽化や鑑賞温室の閉園、利用者の減少など、これからの公園を考えるうえでさまざまな課題もあります。
4月からの活動では、まず「何を整備するか」を決めるのではなく、今の生態系公園がどのような状況にあり、村民の皆さんや役場職員がどのような公園を求めているのかを知ることから始めています。
役場内では各課へのアンケートやヒアリングを行い、生態系公園をそれぞれの業務の視点からどのように活用できるか、また、課題に関係なくたくさんの意見を集めました。同時に広報での村民の皆さんからの意見を募集、6月に開催したカタマルシェでは、来場した皆さんに「生態系公園にあったらいいもの・やってみたいこと」をボードに貼ってもらう形で意見を募集しました。

カフェや飲食スペース、子どもの遊び場、ドッグラン、キャンプ、イベント、自然体験、大学との連携、若者の居場所など、本当にさまざまなアイデアが寄せられました。内容は違っていても、多くの意見に共通していたのは、「人が集まる場所」「自然の中で過ごせる場所」「新しいことに挑戦できる場所」になってほしいという期待だったように感じています。
また、実際にイベントを開催すると、森の中を走り回る子どもたちや、自然の中で遊ぶ親子の姿を見ることができます。こうした光景からも、生態系公園には建物だけではなく、すでにある「森」や「広さ」「自然そのもの」という大きな価値があると感じています。
先日は、今後の公園づくりの参考とするため岩手県を視察しました。
一つ目は、旧伊手小学校を活用した「いでっと舎」です。国の交付金を活用して整備された施設で、廃校という地域資源を新しい交流の場へと生まれ変わらせています。施設そのものだけでなく、事業を始めるまでの考え方や地域との合意形成、整備後の運営についてお話を伺いました。
もう一つは、盛岡市中央公園の「ビバテラス」です。Park-PFIという仕組みを活用し、行政と民間がそれぞれの役割を担いながら、公園に飲食や交流、日常的な滞在を生み出しています。

二つの施設を視察して改めて感じたのは、「ほしいを集めた施設をつくれば人が集まる」ということではないということです。
「誰のための場所なのか」「そこでどんな時間を過ごしてほしいのか」「誰が運営し、どう続けていくのか」。こうした部分を整備前にしっかり考えることが、その後の施設の使われ方を大きく左右します。
だからこそ、生態系公園についても、すぐに「ここに○○をつくります」と決めるのではなく、まずは公園がこれから何を目指すのかというコンセプトを整理していきたいと考えています。
例えば、人が集う場所、自然を学ぶ場所、新しい挑戦が生まれる場所、そして公園の中だけで完結せず、大潟村の農業や観光、商業、教育など村全体につながっていく場所。そんな可能性を一つずつ検討していきます。
今後は、これまで集めた庁内や村民の皆さんの意見、視察で得た学びなどを整理し、生態系公園の目指す姿を検討していきます。その後、整備方針や運営方針、ゾーニング、概算事業費などを具体化し、村民の皆さんや議会への説明を重ねながら計画を進めていく予定です。
生態系公園を「整備すること」そのものが目的ではありません。
今ある自然や地域資源を活かしながら、これからの大潟村に必要とされ、次の世代にも使われ続ける公園をつくること。
そのために、これからも村内外のさまざまなかたの声を聞きながら、一つずつ形にしていきたいと思います。生態系公園で「こんなことをしてみたい」「こんな場所になったらいいな」というアイデアがありましたら、ぜひお聞かせください。
