今月の特集では、市の決算をもとに、私たちが納めている税金について深掘りします。税金が市のどこに入り、どのような事業に使われたのかを解説します。また、市の財政状況について、似たような「人口規模」や「産業構造」を持つ自治体と比較しながらわかりやすく解説していきます。
<企画編集> 秘書広報課広報室 65-6504
1 まずは令和7年度の決算状況から見ていきましょう。
(単位:億円)

※国民健康保険は直診勘定特別会計と合算しています。
一般会計は13.55億円の黒字
一般会計の差引額(24.32億円)から翌年度に繰り越す財源(10.76億円)を差し引いた額
特別会計や企業会計では、病院事業が赤字決算となりました。病院事業の赤字額は、昨年度(△21.67億円)と比べると8.44億円減りましたが、引き続き経営改善実行計画に基づく経営再建が急務となっています。
2 次に市に入ってきたお金の種類を見てみましょう。

3 次にお金がどのようなことに使われたのかを、目的別に掘り下げて見てみましょう。
お金の使い道 徹底解説!

4 それでは、次に長浜市の財政状況を見ていきます。
今の状況は?将来は大丈夫なの?今回は「人口規模」や「産業構造」が似ている他の市と比較しながら、私たちのまちの「現在地(ポジショニング)」をひも解いていきます。
私たちのまちの財政状況ってどうなの? グラフで見る、長浜市の現在地。
出典
今回の分析に使用しているデータの出典元は以下のとおりです。
❶長浜市「令和7年度長浜市財政概況」
❷総務省「令和6年度地方公共団体の主要財政指標一覧」
❸総務省「令和6年度市町村別決算状況調」
❹総務省「令和6年度市町村決算カード」
❺総務省「令和6年度財政状況類似団体比較カード」
A まずは長浜市の基本的なデータを見てみましょう。
| 項目 | R7決算 | R6決算 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 1 経常収支比率 | 90.3% | 92.9% | 2.6%改善 |
| 2 将来負担比率 | - | - | - |
| 3 自主財源比率 | 40.9% | 38.2% | 2.7%改善 |
| 4 借金(市債)残 | 367.28 億円 | 392.33 億円 | 25.05 億円減少 |
| 5 貯金(基金)残 | 352.86 億円 | 360.05 億円 | 7.19 億円減少 |
経常収支比率:家計で例えると「毎月のやりくりの余裕度」を表す数字
収入のうち、必ず払わなければならない固定費がどれくらいの割合なのか。数字が大きいほど、日々のやり繰りで精一杯で、貯金や急な出費への対応が難しくなります。90%を超えると著しく硬直化が進んでいる状態と判断されます。
将来負担比率:家計で例えると「将来への借金の重さ」を表す数字
将来の負担が現在の収入や貯金に対してどれくらいの重さになっているのか。数字が大きいほど、将来へのツケが重いことを意味します。
*例えば >>> 年収500万円、住宅ローン残高1500万円、貯金500万円の家計で計算してみると
1500(借金)-500(貯金)÷500(年収)×100=200%
B 次にほかの市と比較して分析してみます。
比較条件
ほかの市との比較条件は以下のとおりです。
❶総務省の「市町村類似団体類型区分」において、長浜市と同じ類型に分類された自治体
▷「市町村類似団体類型区分」=「人口規模」と「産業構造」の2つの要素に基づいてグループ分けされるもので、同規模の都市を比較するのに最も公平な物差しとして使われています。
▷長浜市の類型区分=「一般市 Ⅲ―2」
<人口規模(Ⅲ)>=人口10万人以上15万人未満
<産業構造(2)>=二次・三次産業の就業人口割合が90%以上かつ三次産業が65%未満
❷今回比較するのは、全国で「一般市 Ⅲ-2」に該当する30市のうち、滋賀県内の2市(彦根市/東近江市)と、産業構造のバランス(ものづくり基盤が厚い)や、市の成り立ち(1市2町5村の広域合併)、面積などの共通点が多い石川県白山市の3市と、全30市の平均値
❸比較に使用している数値は総務省から公表されている直近のデータ(令和6年度決算)
❹市民一人あたりの経費=令和6年度決算額(各項目ごと)÷令和7年1月1日時点住民基本台帳人口
財政の柔軟性&将来リスク分布図

| 都市名 | 経常収支比率 | 将来負担比率 |
|---|---|---|
| 長浜市 | 92.9% | - |
| 彦根市 | 97.4% | 53.5% |
| 東近江市 | 88.8% | - |
| 白山市 | 94.8% | 122.3% |
| 30市平均 | 92.3% | 20.5% |
長浜市は、将来負担すべき負債よりも、相殺できる貯金(基金)や、将来国から入ってくることが確定している交付税措置などの額が上回っているため、将来負担比率の数値がでないクリーンな状態です。家計で例えると「将来への心配は少ないけれど、毎月のやりくりがかなりカツカツの状態」と言えます。
C 違う項目でもほかの市と比較してみます。
*全て市民一人あたりの経費として算出/単位は万円
<計算式>令和6年度決算額(1~5の各項目)÷令和7年1月1日時点住民基本台帳人口
*グラフ上の・・・は30市平均値
1/借金
少ない方から14 位/30市


2/貯金
多い方から 1位/30市

深掘り! / 貯金の中身
市が積み立てている貯金には、大きくわけて3つの種類があります。「財政調整基金」は災害や緊急時など、急にお金が必要になった時のために、「減債基金」は借金を繰り上げて返済したり、将来の返済に備えるために、「特定目的基金」は教育・福祉の充実や公共施設の整備・改修など特定の目的のために使う貯金で、14の基金があります。
| 項目 | R7決算 | R6決算 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 1 財政調整基金 | 63.36 億円 | 66.50 億円 | 3.14 億円減少 |
| 2 減債基金 | 45.91 億円 | 41.83 億円 | 4.08 億円増加 |
| 3 特定目的基金 | 243.60 億円 | 251.72 億円 | 8.12 億円減少 |
| 基金全体 | 352.86 億円 | 360.05 億円 | 7.19 億円減少 |
3/児童福祉費
13 位/30市

4/教育費
10 位/30市

5/老人福祉費
4 位/30市

5 これからの長浜市が目指すこと
さて、今回の特集はいかがでしたか。私たちの税金は市に直接入るものと、国や県を通じて市に入るものがあり、赤ちゃんからお年寄りまでの幅広い世代に使われています。
市の財政は、人口や産業が類似している他市と比べても今のところ将来へのリスクは低いですが、年々増えていく固定費に対して毎年のやりくりが大変な状況です。
今後も人口減少により収入が減っていく中で、湖北病院や伊香消防署、ごみ焼却施設の整備や、市立2病院の再建と地域医療の再編への対応も待っています。長浜市が持続的に発展できるように、行政サービスの効率化や公共施設の統合による固定費の削除を進めるとともに、ふるさと寄附金の拡大や使われていない市有財産の売却や貸付等により新たな財源の確保に努めていきます。
次号では、人口減少社会を前提にこれからの長浜市の未来を創造する道しるべとして新たに策定した「長浜市総合計画」について特集しますので、ぜひご覧ください。
