問 都市計画課建築班 ☎22-9166
全国では、適切に管理されていない空き家が約386万戸に達し、この25年で約2.1倍に増加しています。防災・衛生・景観など地域への影響が深刻化していることから、令和5年の法改正では従来の「特定空家等」に加え、悪化を防ぐための「管理不全空家等」という区分が新設されました。
一方で、空き家の所有者が活用方法や管理、解体、相続・登記などの情報を自力で集めるのは容易ではありません。そこで、空き家の発生段階から相談できる体制として「空家等管理活用支援法人」が創設されました。支援法人は、建築・不動産・法務の専門家と連携し、管理から活用、除却までをワンストップで支援します。
空き家対策は「活用の拡大」「適切な管理」「特定空家等の除却」の3本柱で進められ、早い段階で相談できる体制づくりが重要です。
そこで、平戸市では平戸市空家等管理活用支援法人としてアドバイザー協議会を指定し、平戸市内7カ所で住教育セミナーを開催します。身近な場所で参加できるようにすることで、所有家屋について考える機会を増やし、その後の個別相談にもつなげていきます。
空き家を考えるきっかけとして多いのは、所有者が死亡した場合や、介護施設入所などで住まなくなるタイミングです。人が住まなくなると換気や点検が行われず、雨漏りやシロアリ被害など劣化が進みやすくなります。修繕費の増加や倒壊の危険、動物の侵入や不法投棄など、周囲への影響も大きくなります。こうした事態を防ぐために、支援法人へ早めに相談してください。賃貸・売買・リフォーム・解体など、状況に応じた利活用方法を一緒に検討できます。平戸市空き家バンク制度の利用も可能です。
大切な家の今後について、この機会に家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
Interview
一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 長崎県平戸支部
事務局長 福田 敏幸さん
- 住所 北松浦郡佐々町小浦免67番地3
- 電話 0956-63-3785
- 事業内容
- 空き家相談(売買・賃貸、その他利活用、空き家の解体、相続手続き、家財の処分)
- 住教育セミナー
- 公民館出前講座
私たちは、古民家再生協議会として、長崎県内の古民家の再生を目的に活動をしていました。平戸市では大島地区の重要伝統的建造物群保存地区の見学ツアーなどを行っていましたが、(一社)全国空き家アドバイザー協議会が設立されたのをきっかけに、長崎県平戸支部を設立しました。
協議会の主な内容は、空き家に関する相談対応です。相談者から連絡があれば、建物の状態や構造、耐震性など建築に関すること、売却・賃貸・管理など不動産に関すること、さらに相続や権利関係の整理など、内容に応じて建築士、宅地建物取引士、司法書士、税理士など、さまざまな専門家とつなぐことで、ワンストップで相談できる体制を整えています。
空き家の相談では、所有者が長崎県外に住んでいて、平戸市内の家が空き家になっているケースが多く見られます。なかなか現地での立ち合いができず、電話やメールでの相談が中心になります。その結果、建物の現状を正確に把握しづらかったりすることもあります。また、1階が店舗、2階が住居というような複合的な建物も多く、空間の区切りがはっきりしていないため、店舗部分だけを切り出して賃貸に出すことが難しく、借り手とうまくマッチングできないケースも少なくありません。
このような課題は、空き家になってから慌てて対応するのではなく、建物に誰かが住んでいる間に家族で「建物を将来どうするのか」を事前に話し合っておくことがとても重要です。協議会では、全国に100を超える支部が持つ事例やノウハウを共有しながら、空き家や相続などをテーマにした「住教育セミナー」を行っています。セミナーでは、単に制度や手続きの説明をするだけでなく、「家族でどんなことを話し合っておくとよいか」「どのタイミングで専門家に相談するとスムーズか」といった、具体的な行動のイメージを持ってもらうことを大切にしています。これまで平戸市内1カ所のみで開催していたセミナーを、今年度からは7カ所に分けて、それぞれの地区の特色や課題に合わせて皆さんが空き家問題を考えられるようなセミナーを目指しています。
古民家再生の経験と、空き家アドバイザー協議会のネットワークを生かしながら、将来の住まいについて家族で話し合う文化を広げ、安心して暮らし続けられるまちづくりにつなげていきます。
相続登記の義務化
令和6年4月から、「相続登記」が義務化されています。
- ①相続で不動産を取得した場合、相続を知った日から3年以内に相続登記をする必要があります。
- ②遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をする必要があります。
※義務化前に相続した不動産も対象です。令和9年3月31日までに相続登記してください。
※正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。詳しくは、法務省ホームページをご確認ください。
