特集 平戸の子どもは平戸で育てる

子ども

-地域が育てる新しいクラブ活動のかたち-

問 学校教育課 ☎22-9212

少子化が進む中でも、子どもたちがこれからもスポーツや文化・芸術活動に親しみ続けられるよう、国では部活動改革が進められています。令和8年度からは、いよいよ「改革実行期間」という新しい段階に入ります。

これまで学校を中心に行われてきた部活動は、地域クラブ活動へと広がりつつあります。学校部活動が大切にしてきた教育的な価値を受け継ぎながら、地域のみんなで子どもたちを支えていくことで、新しい魅力が生まれることが期待されています。学校や自治体の枠を超えて、新しい仲間との出会いが広がること、年齢や性別の枠を超えて、共に活動を楽しめることなど、新しい活動のかたちが見え始めています。

国や県のガイドラインを受け、平戸市でも地域クラブ活動の取り組みが進んでいます。学校の保護者会が学校と協力して立ち上げたクラブ、地域の皆さんが自分の得意分野を活かして始めたクラブなど、形はさまざまですが、どのクラブにも「平戸の子どもは平戸で育てたい」という思いが込められています。また、これまで学校部活動に関わってきた教職員が、地域クラブ活動で指導を行う兼職兼業を希望することも可能です。

地域クラブ活動に関わる大人が増えることで、子どもたちには新しい出会いや経験が広がり、成長につながります。そして、その関わりは大人にとっても元気や喜びをもたらしてくれます。地域クラブ活動の指導者からは、「子どもたちの一生懸命な姿に励まされます」「最初は不安でしたが、自分の指導に生徒が応えてくれて、もっと学ぼうという意欲が湧いてきました」という声も聞かれます。

これからも「平戸の子どもは平戸で育てる」を合言葉に、平戸市の部活動の地域展開は進んでいきます。

INTERVIEW 地域クラブ活動がつくるふるさとの未来

主体性をもって活動し、クラブを通じて成長してほしい

TEAM TLITON(チーム トリトン)
代表 吉川 直樹(よしかわ なおき)さん

田平地区で活動する軟式野球クラブ「TEAM TLITON」は、今年1月に設立しました。近年、田平地区では中学生が地元で野球を続けられる環境が少なくなっており、「地域の子どもが、仲間と野球に打ち込める場所をつくりたい」という思いからクラブを立ち上げました。地域や学校の枠を越えて集まった子どもたちが、それぞれの目標に向かって日々練習に励んでいます。

監督の池田佳優(いけだよしまさ)さんをはじめ、指導スタッフは地域にゆかりのあるメンバーで、子どもたち一人ひとりに寄り添いながら、技術の向上だけでなく、人間的な成長も大切にした指導を行っています。

活動を始めて感じる課題は、ナイター設備のある練習場所が限られていることと、増え続ける野球道具の保管場所です。グラウンドの倉庫だけでは収まりきらず、一部はスタッフが自宅で保管しながら活動を続けています。

一方で、地域企業の皆さんから多くのご支援をいただいており、練習時にはスポンサー企業の横断幕を掲げ、感謝の気持ちを忘れず活動しています。

クラブチームは学校の部活動とは異なり、長期的・継続的な指導ができることも大きな特徴です。将来的には、卒業生が気軽に顔を出せる、地域に根ざした「ふるさとのチーム」として成長していきたいと考えています。

また、TEAM TLITONでは、保護者の負担軽減のために、保護者会は設けていません。子どもたち自身が主体的に行動し、クラブ活動を通して、野球だけでなく中学生として大きく成長してほしいと願っています。

子どもから大人まで誰もが関われるクラブに

平戸ジュニアアスリートクラブ
代表 依藤 利和(よりふじ としかず)さん

平戸ジュニアアスリートクラブ(平戸JAC)は平成20年、当時田平北小学校に勤務していた山口先生と一緒に立ち上げました。共に娘がおり、娘たちから「陸上をしたい」と相談されました。平戸には小学生の陸上クラブがなかったため、まずは部員8人で活動を始めました。

活動場所が田平公園グラウンドだったこともあり、次第に平戸市外からの部員も増えました。その流れで、私が吉井中学校の外部コーチも務めるようになり、平成30年からは平戸JACでも中学生の受け入れを開始しました。中学生が小学生の面倒を見て、小学生は中学生を目標に練習し、互いに刺激を受けながら成長していると感じています。

昨年度、平戸市の認定を受け、田平町外からの部員もさらに増えました。一方で、遠方から通う部員は保護者の送迎負担は課題ですが、陸上をしたい子どもたちの受け皿でありたいという思いは変わりません。

私自身の経験から「陸上競技は仲間と練習することで楽しさも質も高まる」と実感しています。平戸JACの卒業生には、地元に帰ってきた際にはいつでも練習に参加してほしいと思っています。今年度から卒業生がコーチとして活動に加わり、これまでのつながりが形になったことをとても嬉しく感じました。

今後は、小中学生だけでなく、地域で陸上をしたいもののチームがなく困っている人たちも受け入れ、一緒に練習したり指導したりできるクラブを目指していきたいと考えています。

Interview 生徒と歩むこれからの部活動 地域クラブ活動で学校としてできることを

中野中学校 教諭 西田 和也(にしだ かずや)さん

私は令和5年度から中野中学校に勤務し、学校では数学を教えています。高校時代に硬式テニスをしていたこともあり、中野中学校男子ソフトテニス部の顧問を務めることになりました。硬式と軟式では競技性が大きく異なるため、当初は戸惑うこともありましたが、他チームの指導者との関わりや、子どもたちにどう伝えれば理解してもらえるかを考える中で、自分自身にとって大きな学びとなっています。

令和6年度の平戸市中総体では、3チームが勝ち点で並び、得失点差で惜しくも優勝を逃しました。そのとき、1試合1試合の重みを改めて痛感しました。今年の中総体では、生徒たちは「油断せず、最後まで諦めず、気持ちで勝つ」という教訓を胸に大会に臨みました。団体戦の決勝、大接戦の中で、ギリギリのボールを精一杯伸ばしたラケットで拾い、ゲームの流れを引き寄せました。結果は優勝。勝利がすべてとは思いませんが、生徒たちの笑顔や嬉し涙を見たときは、本当に指導者としての喜びを感じました。

今年度からは、休日の部活動が地域クラブ活動へ展開します。生徒たちともっと一緒に活動したい思いがありましたし、サポートが必要な子どもや、土日に子ども同士で何かあった場合、クラブに任せきりにするのではなく、学校としても支えられる体制が必要だと考え、中野ソフトテニスクラブでも引き続き指導することを決めました。

クラブでは男女一緒に活動します。体格や体力、ゲームの組み立て方などに違いはありますが、コーチの岡部さんや石田さんと協力しながら、互いの技術向上につながる指導をしていきたいと考えています。

また、子どもたちには目標を持ち、その目標に向かって努力する姿勢を大切にしてほしいと考えています。中学生の活動は、保護者や地域の皆さんの協力・応援なしでは成り立ちません。周囲の人への感謝を忘れないことも、教員としてしっかり伝えていきたいと思っています。経験豊富な2人の指導者や他チームの指導者の姿に学びながら、教員として、子どもたちに技術以外の部分も教えていきたいと考えています。

さらに、クラブ化することで、中学生だけでなく小学生や高校生とも一緒に練習できるようになります。「中野地区といえばテニス」と言われるよう、地域の人と関わりながら活動していきたいと思います。

平戸市における部活動の地域展開推進に係る基本方針

平戸市では、令和8年度から、休日の学校部活動を地域クラブ活動へ展開します。(地域クラブ活動を軌道に乗せるため、8月末までは、必要に応じて休日の学校部活動を行う場合があります)

学校部活動と地域クラブ活動の現状は、下の図のとおり①平日の学校部活動と休日の地域クラブ活動が連携を取りながら行うパターン、②平日・休日ともに地域クラブ活動として行うパターン、③平日の学校部活動のみを行うパターンが見られます。

今後は、令和8~10年度の改革実行期間(前期)に、休日の活動における新たな課題の解決に向け、具体策を検討・実行するとともに、地域展開の効果や課題を検証しつつ、平日の活動の在り方を検討していきます。

改革実行期間前期の部活動と地域クラブ活動の1週間の活動(例)

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜 土曜 日曜
①部活動と地域クラブ活動 部活動 部活動 部活動 部活動 クラブ活動
②地域クラブ活動のみ クラブ活動 クラブ活動 クラブ活動 クラブ活動
③部活動のみ 部活動 部活動 部活動 部活動

※①部活動と地域クラブ活動を行う人および②地域クラブ活動のみを行う人は、1週間のうち2日以上の休養日が必要です。また、③部活動のみを行う人は平日5日間のうち1日の休養日が必要です。

平戸市内の認定地域クラブ

平戸市では令和7年度に、独自の認定制度を設け、6団体が認定を受けて活動してきました。令和8年度からは、国の認定要件を加え、新たに「平戸市認定地域クラブ活動認定制度」がスタートしました。平戸市内で活動している認定地域クラブ活動に関する情報は、平戸市ホームページで紹介しています。ぜひご覧ください。

認定地域クラブの活動および参加者への支援

平戸市認定地域クラブ活動費等支援補助金

対象者
平戸市認定地域クラブ

補助対象経費

  • 指導者の謝礼
  • 交通費
  • 備品の購入費
  • 会場使用料
  • 参加者の募集経費

補助金額
認定地域クラブの規模ごとに異なります。詳細は、平戸市ホームページをご確認ください。

平戸市認定地域クラブ参加者支援補助金(①参加費支援事業、②交通費支援事業)

対象者
平戸市内の中学校に在籍する生徒の保護者で次の要件をすべて満たす人

  • 平戸市内に住所を有する人
  • 当該生徒が認定地域クラブ活動に参加していること

①は、要保護および準要保護児童生徒援助対象者であること
②は、当該生徒が離島に居住していること

補助対象経費

  • ①認定地域クラブ活動の参加費(入会費、年会費、月会費)および保険料
  • ②生徒が島外の大会などに参加するためのフェリー旅客運賃など

補助金額

  • ①参加費36,000円、保険料800円を上限として全額
  • ②補助対象経費の2分の1の額

平戸市認定地域クラブ活動一覧について|HIRADOじかん情報|子育て・教育|長崎県 平戸市(ひらどし)ホームページ
平戸市地域クラブ認定制度が変わります|HIRADOじかん情報|子育て・教育|長崎県 平戸市(ひらどし)ホームページ

※広報紙をもとに情報を収集しています。品質に配慮していますが、お気づきの点があればこちらからご連絡ください。

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