今月の特集③
インタビュー日:2026年8月24日
蘭越町では、新規就農者の受け入れ等による地域の担い手確保のため、農業研修制度を導入し、各種支援を行っています。研修生は町内の指導農家のもと、2年間、栽培技術や農業経営に関する指導を受け、3年目に独立経営することを目指します。
ご紹介するのは…
研修1年目
松原 雄大(まつばら ゆうだい)さん(38)
福井県出身。前職はITに関わるお仕事をされていたとのこと。日本の農業の将来を見据え、自分の目指す姿に向けて着実に努力を重ねている姿が印象的でした。
▲松原さんが農業を学んでいる「近藤ふぁーむ」のハウス。
Q なぜ蘭越の研修制度を利用しようと思ったのでしょうか?
将来はお米を育てたい想いが強く、ニセコエリア周辺で探していたところ、農業研修生用の住宅や研修段階から支援があり、地域おこし協力隊として働きながら研修できる蘭越町の制度に惹かれました。町の雰囲気が地元に似ているのも良かったです。釣りが趣味なので、海や川が近いのもすごく良いですね。
Q 就農を志したきっかけは?
日本の食料自給率の低迷に強い危機感を抱いたからです。今後、農家の高齢化など様々な要因で自分たちの「当たり前の食卓」が無くなってしまうかもしれない。なら、自分が少しでも底上げを、と思ったんです。
Q どのような形で底上げしたいと考えているのでしょうか?
日本の農業が直面している課題に対処するため、ドローンやAIを活用する「スマート農業」を導入したいと考えています。もともと、ものづくりが好きだったことも影響しているかもしれません。まずはトマトで生計を立て、知識や技術、資金といった基盤を整えていきたいですね。
Q 研修を始めて数か月。どのような想いがありますか?
農業は泥臭く、朝から晩までとても忙しいイメージでしたが、本当にその通りでした。だからこそ、近藤さん(研修先の農家さん)から教わることを一つひとつ大切にして育てたトマトが成長した姿を見たときはすごく嬉しかったですね。近藤さんからは、先進的な設備に関することも学ばせてもらっています。思ったより費用がかかることを知れましたし、「自分でできることは自分でやることも大切」とも教わっていて。今後、自分の経営の基礎になることなので、どう取り入れていこうかよく考えています。
▲周囲の温度を感知し、自動で巻き上げて暑さを逃がすハウスの設備や自動散水機。
Q 研修の中で、大切にしている考え方はありますか?
育てているトマトはすべて「商品」だということを強く意識しています。傷がつかないよう、玉の一つひとつを丁寧に扱うように常に気を張っています。研修2年目は1人で育てていくことになるので、管理作業をさらに丁寧に行い、できるだけ綺麗な玉を作れるようになりたいですね。
▲芽かき作業の様子。
Q 改めて聞かせてください!今後の展望について
スマート農業を学び、どれだけ省力化できるか、地域全体の生産量の向上や品質の安定化につながるかなどを考えて、蘭越町ではまだ誰もやっていないようなことも取り入れていきたいですね。それだけでなく、「あいつはしっかりしているな」と思ってもらえるような信頼関係を、関わってくださる方と築いていきたいです。
