浅見宣義
「おはぎ」に平和を想う
1 一枚の遺影と、おはぎの話
私の母の実家には、先祖の遺影と並んで、伯父の遺影が掲げられています。居並ぶ先祖の中で、伯父だけが若者の姿であることが強く印象に残っています。伯父は戦地へ赴き、南方へ向かう海路の途中、若くして帰らぬ人となりました。生前はおはぎが好物で、敦賀の基地に入営した際には、母たち家族が慰問におはぎを持って訪ねたと聞いています。
おはぎを食べるたびにこの話を思い出し、遺影の中の伯父にも、家族に囲まれ、好きなものを味わう日常があったのだと感じます。戦争とは、かけがえのない一人ひとりの暮らしや、家族との時間を奪うものなのだと、胸に迫ります。その人生に思いを寄せることが、戦争を遠い過去の出来事にしないことにつながるのだと思います。
2 平和は、当たり前ではない
戦後80年を越えた今も、こうした一人ひとりの物語が、平和の尊さを静かに語りかけてきます。戦争を直接体験された方が年々少なくなり、その記憶が次第に「歴史」へと変わりつつある中で、私たちには、その記憶と平和の尊さを次の世代へ伝えていく責任があります。世界では今なお争いが続いており、私たちが享受している平和は、決して当たり前のものではありません。
3 平和への願いを、次の世代へ
長浜市では、8月22日、湖北文化ホールにおいて平和祈念式典を執り行います。戦没者の方々に哀悼の誠を捧げるとともに、世代を越えて平和への願いを分かち合い、その思いを未来へつなぐ大切な機会です。式典では、小学生による作文の朗読、ご遺族の体験談、合唱団によるコーラスなど、平和について考えるひとときを設けています。
ぜひ、多くの市民の皆さまにご参列いただければと思います。

