特集 誰もが自分らしく活躍できるまち ~認知症とともに~

社会保障

「認知症になっても自分らしく暮らし続けることができる」、「できること・やりたいことがあり、社会の一員として活躍できる」社会の実現を目指して、令和6年1月に、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」がスタートしました。

南九州市でも、認知症になっても今までと変わらない関わりを大事にし、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるまちを目指しています。

認知症は、誰もがなりうる身近な病気です。

今回は、自分らしく活躍中の当事者とその周りの方々の取り組みについてご紹介し、「安心して老いることができるまち」について考えます。

新しい認知症観を知っていますか?

これまでの認知症に対する誤解や偏見 新しい認知症観
何も分からない、できない 分かること、できることが豊富にある
介護の対象(守られる存在) 地域社会の一員、支え手でもある
恥ずかしいこと、隠すこと オープンで自然体でいる
施設や病院で暮らす 住み慣れた地域で自分らしく暮らせる

令和6年度認知症地域支援推進員研修資料を一部改変して作成

認知症は、誰にとっても身近なものです

2022年の調査では、65歳以上の約8人に1人が認知症と推計されています。また、認知症になる一歩手前の状態とされる「軽度認知障害(MCI)」を含めると、約3人に1人に上ります。認知症は、誰もがなり得る身近なものです。

一方、南九州市高齢者等実態調査では、「認知症になっても安心して暮らせる地域だと思う」と答えた人は56%、「認知症になったことを身近な人に伝えたいと思う」と答えた人は24%にとどまっています。

認知症になっても、誰もが自分らしく暮らし続けるためには、地域の人たちが認知症を正しく理解し、お互いにつながり、支え合うことが大切です。

65歳以上高齢者 3603万人

  • 認知症: 443万人 (12.3%)
  • 軽度認知障害: 559万人 (15.5%)
  • (上記合計: 27.8%)
  • 認知症・軽度認知障害ではない高齢者: 2601万人 (72.2%)

出典:令和5年度老人保健事業推進費等補助金「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」(研究代表者 九州大学 二宮利治)
※有病率調査は2022年

現在の南九州市は、認知症になっても安心して暮らせる地域だと思いますか?(65歳以上一般高齢者)

  • はい: 56%
  • いいえ: 41%
  • 無回答: 3%

もしあなたが認知症になったら、そのことを地域の人や身近な人に伝えたいと思いますか?(65歳以上一般高齢者)

  • 出来れば伝えたいと思う: 45%
  • あまり伝えたくない: 26%
  • 伝えたいと思う: 24%
  • 伝えたくない: 4%
  • 無回答: 1%

出典:南九州市高齢者等実態調査(2024. 3)

~本人からのメッセージ①~ 認知症になっても、わたしはわたし 自分ができることを続けたい。

自分が作ったものが売れると、頭じゃなくて、心が嬉しい。

認知症と診断されて、10年近くになるKさん。「気軽に行ける居場所が欲しい」その一言から、地域のおれんじボランティアを中心に、本人がやりたいことを活動とする「おれんじサロン」が立ち上がりました。最近は、ドレスタオル作りに取り組み、郵便局や薬局の協力により展示・販売もするようになりました。ほかにも、デイサービスや地域での貯筋運動などに参加し、自分が今できること、思ったことを伝えながら、家族や地域の方々と共に自分らしく暮らしています。

ドレスタオルを展示する様子
ドレスタオルを展示する様子

つながり合う家族・地域の方々

家族の声

家族として大切にしているのは、認知症を「できなくなること」とだけ捉えないことです。生活の中には、できること、難しくなることがあり、それも時間とともに少しずつ変化していきます。できないことを責めるのではなく、できることを一緒に喜び、無理をさせずゆっくり待つことを心がけています。また、主治医の存在も、家族にとって大きな支えです。

本人、家族、医療、そして地域の方々がつながることで、認知症があってもその人らしい役割や楽しみを持ち続けられると感じています。

おれんじサロン代表 別府 あけみさん

活動を通じて感じているのは“認知症はわがごと”。

一緒に活動していく中で、本人の言葉や行動からたくさんのことを学んでいるので、一方的に支えている、と感じたことはありません。認知症だからと特別に構えるのではなく、今までどおりの付き合いをしています。それは、ほかの仲間も同じ。

おれんじサロンがあることで、“いつか自分が認知症になっても行ける居場所がある”…それって、いいですよね。

牧之内郵便局 局長 児玉 圭司さん

私たちは、地域の皆さまにとって最も身近な存在の一つとして、認知症の有無にかかわらず、住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らし続けられるよう、お手伝いしてまいります。

今回は、啓発活動の一つとして、ドレスタオル展示に協力させてもらいました。

これからも認知症サポーター、サポート事業所として、相談窓口のご案内や啓発活動に協力しながら、温かく寄り添える存在を目指します。

~本人からのメッセージ②~ 皆が喜ぶ顔を見たいから、よく飛ぶように、竹とんぼを作ります。

好きなことを通じて子どもたちと交流できてうれしい。みんなが声をかけてくれることが楽しみです。

ハツオさんは、認知症と診断されてからしばらくの間、家に閉じこもりぎみの生活でした。

「認知症は恥ずかしいことじゃない」という妻の思いもあり、認知症をオープンにすることに。友人に声を掛けられ、得意な木工細工で地域のイベントに参加し、竹とんぼの飛ばし方を子どもたちに教えることで、地域との交流が続いています。

つながり合う家族・地域の方々

家族の声

認知症と診断されてすぐは、かわいそうだと感じていましたが、今は、玄関先に座っていると自治会長さんや地域の方々が声をかけてくれるようになり、楽しい日課になっているようです。これでいいんだなと思います。

これからも顔なじみの友人たちと一緒に地域のイベントなどで竹とんぼを通じ、好きなこと(子どもたちとの交流)を続けて欲しいです。主治医に、「これからも一緒に生活するために、無理せず、いつでも頼って良いよ」と言われていることも安心につながっています。

友人 吉崎 健兒さん

はっちゃんとは、15年来の付き合いで兄のような存在。特別なことをしているわけではないんだよね。木工クラブや山林活動のボランティアで地域貢献してきた仲間。

竹とんぼづくりや子どもたちと交流しているときのはっちゃんは、とても楽しそうだから、本人が楽しいと感じているなら、今までと変わらずできることを一緒にやっていきたいと思うよ。

お問い合わせ

おれんじサロン、おれんじボランティア、サポート事業所などについては、下記までお問い合わせください。

南九州市長寿介護課地域包括ケア係
TEL:0993-56-1111
受付日時:月~金 午前8時30分~午後5時15分(祝日、年末年始は除く)

※広報紙をもとに情報を収集しています。品質に配慮していますが、お気づきの点があればこちらからご連絡ください。

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