~南吉よもやま話~
花を埋めてみた ~特別展「蛍の夢」①~
みなさんは新美南吉の小説「花を埋める」をご存知ですか?小さな穴に花をあしらい、ガラスの破片で蓋をして土をかけ、鬼がこれを探すという情緒ある遊びを扱った作品です。作中で主人公は、想いを寄せるツルの埋めた花にも特別な感情を抱きながらありかを探します。
南吉記念館では、主人公のモデルが南吉自身と推定される作品を扱った特別展「蛍の夢~南吉を映す主人公たち~」(7/18~10/12)を開催します。そこで今回、“花を埋める”遊びを再現・撮影してみました。まず花を隠す側は、美しく花を配するところで夢中になりました。また探す側は、少し曇ったガラスの向こうで花が想像以上に美しく見えることを発見しました。ツルのモデルと言われる南吉の想い人・木本咸子(きもとみなこ)さんは、生け花で免許皆伝だった方です。子どものころも南吉を魅了する美しい花のパノラマを造っていたのでしょう。
硝子の上の砂をのける。だがほんの少し。(略)そこには私達のこの見馴れた世界とは全然別の、何処か杳(はる)かな邦(くに)の、お伽噺か夢のような情趣を持った小さな別天地があった。小さな小さな別天地。
