いつまでも元気でいたい――そう思い始めるのは、いくつごろからでしょうか。実は、健康を意識し始めるのは60代からという方が最も多く、次いで50代と続きます(内閣府調査)。一方で、若いころから健康に心がけている人は健康状態が良いというデータもあります。「まだ早い」はないかもしれません。
函館市民は「自分は健康だ」という自信がある人が多い。でも、健康寿命の実態を見ると、全国・北海道の平均より短いというデータがあります。「自分は大丈夫」という感覚と、実際の数字の間には、意外と大きなギャップがあるのです。
あなたが元気でいることは、あなたの姿は、子どもや孫たちの安心であり、喜びです。自分の健康を大切にすることは、大切な人への思いやりでもあります。住む人が元気でいることは地域の活力を守ることにもつながる。あなたの元気が函館の元気です。
元気なうちに、少しだけ意識してみませんか。難しいことは何もありません。好きなことを続ける、誰かと話す、外に出る――そんな小さな積み重ねが10年後の自分をつくります。
「そろそろ何か始めようかな」と思ったときが、始めどきです。元気に年を重ねる方々も、最初の一歩はそんな軽い気持ちだったかもしれません。どんなことを楽しみ、何を元気の源にしているのか――話を聞いてみました。ページをめくるついでに、ちょっとのぞいてみてください。そして気になることがあったら、ぜひあなたも試してみませんか。



健康について学びなおす人
渡辺 美知子 さん
外に出ると、出会いがある。出会いがあるから、また出かけたくなる。

「楽しくないと人生もったいない」――そう笑顔で話してくれた渡辺さん。広報紙を見て「楽しそう」と感じて介護予防教室に申し込み、一昨年初めて参加しました。去年は抽選に外れてしまいましたが、今年また当選し、再び通い始めています。きっかけは「いつまでも住み慣れた地域で、健康で生活したい」という思いから。教室で出会った仲間や先生との時間が、今では大切な楽しみになっています。
教室での楽しみは?
その日ごとにメニューが組まれた体操は、無理なく楽しく続けられると渡辺さんは話します。「年齢に合ったものができる。それがぴったりで、ずっと続けたいと思える理由です」。帰宅後も朝の習慣として取り入れているほど、日々の生活に根付いています。
何より楽しみにしているのは、先生や仲間に会えること。隣に座った方とすぐ仲良くなり、連絡先を交換し合うことも。
「出歩かないと出会えない。だから出かけることが大事」――そんな言葉が印象的でした。
教室に通って、変化はありましたか?
教室では体を動かすだけでなく、脳トレや栄養・食事、口腔ケアなど、日々の生活に役立つ知識も学べます。
「タンパク質をしっかりとらなきゃと意識するようになったのも、教室がきっかけ」。身近な話題をわかりやすく教えてくれる先生の話は、毎回「これは生活に活かせる」と感じることばかりだといいます。
「娘との年に1回の旅行が楽しみで、ついていけるよう鍛えなきゃと思っています」。楽しいことのために体を動かし、外に出て人と関わる――その積み重ねが元気の源になっています。「散歩でも、読書でも、自宅で少し体を動かすだけで気分がすっきりします。どこでもいいので、とにかく外に出てみることが大事かなって思います」。
気になるデータ

介護予防教室(プラチナフィットネス)って?
元気なうちから始めたい!からだづくり
いくつになっても元気で活動的な生活を送れるよう、教室を開設しています。
- 対象 65歳以上(要介護・要支援認定者および事業対象者を除く)
- コース
① 脳も!からだも!いきいき教室(17コース) 定員 各20人
② マシンで!筋力アップ教室(5コース) 定員 各15人
※申込多数のときは抽選(前年度、今年度前期の受講歴がない人優先)
第2期申込受付(必着)
10月30日(金)~11月6日(金)
- 申込方法
はがき:必要事項を記載し高齢福祉課へ郵送
公式LINE:二次元コードから友だち登録後、「予約メニュー」→「プラチナフィットネス申込」
詳しくは、本市6月号に折込のチラシや市ホームページをご確認または高齢福祉課(電話21-3082)へお問い合わせください。
ボランティアから学ぶ人

木下 洋子 さん
何歳からでも遅くない「見学だけ」から始まった、充実した時間。
誰かの役に立ちたい――そんな思いで登録した介護支援ボランティアポイント制度。でも実際に活動を始めてみると、「してあげている」よりも「させていただいている」という気持ちの方が強くなったと、木下さんは話します。令和元年に登録後、コロナ禍などを経て、昨年4月からデイサービスでの活動をスタートしました。
ボランティアを始めたきっかけは?
フォローアップ研修会で出会った施設の主任さんの姿が、長年踏み出せなかった一歩を後押ししてくれました。「考え方が自分と共鳴できる部分があって、とりあえず見学させてくださいとお願いしたんです」。
手話や朗読など、これまでもさまざまなボランティアに挑戦してきた木下さんにとっても、実際に施設へ足を運ぶのは簡単ではなかったといいます。「登録してから活動を始めるまでに6年かかりました。でも、いきなり行くのは誰でも難しい。まず見学して、自分と施設の求めるものが合うところを探してほしい。無理して続けられるものじゃないですから」。
活動していて気づいたことは?
「ボランティアに行っているつもりが、気づいたら自分がさせていただいている側でした」。入浴後の利用者の方の髪をドライヤーで乾かしながら会話をしたり、待ち時間に一緒に計算や言葉のテキストに取り組んだり、お茶を配ったり。「テキストを一緒にやっていると、自分自身の脳トレにもなるんですよ」と木下さんは笑います。恵山のつつじ祭りや自衛隊見学、工場見学など施設の課外活動にも同行し、「2時間があっという間」と感じるほど充実した時間が続いています。
「施設にお手伝いに行くというより、自分の近い将来を学びに行っている感覚。もしかしたら自分もいつかお世話になる場所だから、利用者の方の姿から、どう振る舞うべきかを逆に教わっています。人と関わることが好きだから、殻に閉じこもらずに外に出ることが、自分にとっての元気の源。これからも、自分にできることで誰かの役に立てることがあれば続けていきたい」。
介護支援ボランティアポイント制度って?
誰かの役に立つ喜びが、ポイントにも!
市内の介護施設等でボランティア活動をするとポイントがたまり、換金や商品交換ができる制度です。特別なスキルがなくても、「一緒にいること」が誰かの笑顔につながります。
- 対象者 40歳以上(要介護・要支援認定者を除く)
- 活動内容 利用者の話し相手やレクリエーションの手伝い、お茶出しや配膳、散歩の補助など
- ポイント 活動1時間につき1ポイント(上限:1日2ポイント)
- 換金および商品交換 1ポイント=100円相当
10ポイント以上、年間50ポイントを上限に換金や商品との交換
※参加には事前に研修の修了が必要です。次回の研修会は11月頃を予定しています。詳しくは下記へお問い合わせください。 - 問合せ 社会福祉協議会 電話23-2226
新たな大学生活を楽しむ人

田畑 慶子 さん
続けてきた好奇心が、退職後の毎日を彩っている。
60歳で退職後、「好きなことをやってみよう」と決めた田畑さん。シニア大学に手話講座、以前から続けているドラムと、興味の向くままに新しい世界へ飛び込んでいます。「仕事だけの生活で、世間を知らなかったなって」と笑う姿は、退職後の生活を心から楽しんでいるようでした。
退職してから、どんな変化がありましたか?
手話講座では毎回席替えがあって、いろんな年代・職種の人と話す機会があります。「こんな人もいるんだ」という発見が毎回あって、仕事だけしていた頃より視野がぐっと広がりました。講座仲間と一緒に聾学校のボランティアにも登録して、「時間があったらやりたい」とずっと思っていたことが、ようやく形になってきた感じです。
シニア大学も、認知症予防や函館の歴史といった講座はもちろん、プロ奏者によるジャズコンサートやクルーズ船の見学会まであって、「こんなに多彩なの?」と驚きました。講義中も先生や周りの受講生の反応が活発で、テレビで見るより生の声を聞く方がずっと勉強になると感じています。「自宅でテレビを見て横になっているよりも、いろんな人と関わることが大事」と実感するようになって、仲間から毎回刺激をもらっています。難しいことは何もないし、1時間聞くだけでいい。「申し込みだけでもしてみて」と、引きこもりがちな知人のお母さんにも勧めているくらいです。
健康面で意識していることはありますか?
介護や自分自身の体調不良を経験して、「健康じゃないとやりたいこともできない」と実感しました。介護中に肺炎になってしまったこともあって、免疫を下げないよう食事をきちんととることの大切さを身をもって感じました。今はなるべく歩くようにして、食事も和食中心・タンパク質を意識しています。仕事をしていた頃より睡眠も安定して、心にも余裕が生まれました。
シニア大学って?
学びが生きがいに!60歳からの無料大学
健康・医療・認知症予防・函館の歴史など、バラエティ豊かな講座を通じて知識や教養を身に付けながら、同じ興味を持つ仲間と出会える場所でもあります。受講料は無料。「何か新しいことを始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」という方にも、気軽の一歩を踏み出せる環境が整っています。
- 対象 60歳以上
- 受講料 無料
- 開催校 青柳校、湯川校、朝市校、亀田校
※開催校により、1年制・2年制、開催曜日等が異なります。
※募集は毎年4月頃です。詳しくは下記へお問い合わせください。 - 問合せ 生涯学習文化課 電話21-3566
来月号も「さあ、でかけよう!」
何かやってみたいことは見つかりましたか?来月は移動手段の話。
11月号では公共交通の楽しみ方をご紹介します。
