私たちは日々の暮らしの中で、つい「みんなと同じようにできること」を求めがちです。しかし、こども一人一人に目を向けると、得意なことや苦手なこと、好きなこと、安心できる場所や過ごし方もさまざまです。本当に大切なのは、全員が同じであることではなく、それぞれの違いを認め合い、誰もがかけがえのない存在として大切にされることではないでしょうか。
近年、共生社会の実現に向けた取り組みの一環として注目が高まっているのがインクルーシブ保育です。これは、障がいの有無や発達の違い、性別、文化、家庭環境などにかかわらず、全てのこどもが同じ場で共に過ごし、それぞれに必要な支援や配慮を受けながら育つことを大切にする保育のことです。
例えば、集団活動への参加が難しいこどもには、気持ちを落ち着かせる場所を用意したり、参加の仕方を選べるように工夫したりすることで、こどもたちは「自分もここにいていいんだ」と感じることができます。そしてそれは、一人一人が自分のペースで参加ができる、みんなにとっても過ごしやすい環境につながります。
また、幼いころから多様な個性をもつ友達と過ごす経験は、こどもの心を豊かに育てます。「困っているときは支え合おう」「自分と違う考え方もあるんだ」と気づくことは、これからの多様性を認め合う社会を生きるうえで、何よりも大切な力となり得ます。
これらは、こどもの人権を守ることでもあります。全てのこどもには、自分らしく生き、安心して成長する権利があります。できる・できないだけでこどもを判断するのではなく、その子の思いや頑張り、成長のペースを認めることが大切なのではないでしょうか。
こどもたちが「自分は大切にされている」と感じ、「あなたも大切な存在だ」と互いに認め合えること。インクルーシブ保育は、そのような人権を尊重する社会をつくるための大切な考え方です。まずは私たちが、身近なこどもの声に耳を傾け、その子らしさを受け止めることから始めてみませんか。
著
筑前町人権・同和教育推進協議会
問合せ先
人権・同和対策室 0946-42-6612
