広報アドバイザー
(元中日新聞記者)
西尾 敏正
「暑いの~」「もっと、涼しい川へ移ろうか」。鮎のぼやきが聞こえてきそうだ。酷暑元年の今夏、長良川の鮎も生きにくかろうと勝手に想像した。鮎は縄張りをつくる魚。こんなやりとりはありえない▼が、しかしである。『わくわくぎふ長良川』(岐阜県・世界農業遺産「清流長良川の鮎」推進協議会発行の冊子)を読んで驚いた。実際、鮎は高い水温を避けて冷たい川へ〝引っ越す〟のだ▼この冊子に温暖化と豪雨に影響される鮎の項目がある。それによると、夏場の鮎は水温20~25度が快適で平均水温が26度を超し、日中30度を上回ると本川から水の冷たい支流や上流域に引っ越した▼制作は岐阜大応用生物科学部。日照りと渇水が続いた20年8月、長良川上中流域の本川、支流120㌔で分布を調べ分かった。今年はいかばかりか?多摩動物公園ではライオン3頭が死んだ。酷暑の影響は抜き差しならない。温暖化対策は待ったなしである。
注)『わくわくぎふ長良川』(25年7月出版)は、郡上市白鳥町の清流長良川あゆパークで入手(無料)できる。
