市長コラム No.41 一言主(ひとことぬし)
人と技術でつなぐ長浜の未来

1.手仕事から学んだこと
私の実家は兼業農家で、田植えや稲刈り、稲架掛けなど、季節ごとの作業を家族みんなで協力して行っていました。手作業が多く、とても大変でしたが、今思えばその一つひとつが大切な学びでした。学生時代にたまたまアルバイトで働いた自動車組立工場でも、作業の多くは人の手によって支えられ、丁寧さと同時に大きな労力が必要でした。こうした体験から、産業や働き方はその時代の進歩や価値観の変化によって大きく様変わりしています。
2.広がる技術の力
現在、市内のさまざまな分野で新しい技術が導入され、挑戦が広がっています。農業では、アプリや衛星データを活用した「スマート農業」が始まり、経験に関わらず誰もが取り組みやすくなってきました。土木建設業では、ドローンやレーザースキャンを使った測量で安全性が高まり、女性や若手の活躍も増えています。製造業では、紙からデータへの切り替えやシステム化が進み、仕事の効率が飛躍的に高まっています。市では、こうした挑戦を力強く支え、地域の元気につなげています。

3.みんなと一緒に育てる産業
次期総合計画の基本コンセプト「長浜市の未来図」では、「未来を切り拓く産業のまち」を目指しています。そのために必要なのは、受け継がれてきた知恵や経験のほか、最新の技術や新たなことに挑戦しようとする気持ち、そしてそれらを発揮できる環境であり、これらがあってこそ、長浜の産業は大きく伸びていきます。
これからも、人と新しい技術が手を取り合いながら、新しい分野も含めて持続可能な産業を育てていきたいと考えています。それこそが、浜縮緬、浜蚊帳、浜ビロードをはじめとする繊維業や各種製造業を発展させてきたこのまちの伝統を未来に生かすカギだと思います。
