市内には、国や県、市が指定した文化財がキラ星のごとく光り輝いています。このコーナーでは、数ある文化財の中から代表的なものをシリーズで紹介します。
シリーズ174
国登録有形文化財
「江北図書館(旧伊香郡農会庁舎)」

所在地:木之本町木之本
登録日:令和6年3月6日
江北図書館はJR北陸本線の木ノ本駅の東側に位置する私設図書館です。この建物は昭和12年に伊香郡農会の庁舎兼公会堂として建てられました。その後、昭和50年に江北図書館が建物を譲り受け、今に至ります。
建物の本体は木造二階建で、西面に平屋建の台所棟が付属しています。玄関は南面に突出し、1階は玄関ホールの奥に受付、左手に児童閲覧室、右手に一般閲覧室が配置されています。2階には畳敷の大広間があり、天井は格子を組んだ格天井にするなど格式高い空間になっています。大広間と西側の和室の境は板戸で隔てられていますが、板戸の額縁には棗椰子(なつめやし)の葉を図案化したパルメット文様という装飾が施されています。
外観は前面中央に4連の半円形アーチの縦長窓を配し、これをはさんで5つの控壁(バットレス)を並べる意匠がよく残り、昭和初期における官公庁舎の特徴を今に伝えています。木之本地域の近代化を語るうえで貴重な建造物といえます。
■問 文化観光課歴史まちづくり室 ☎65・6510
