市立病院通信-179- お元気ですか
このコーナーでは、病院施設や事業のほか、生活に役立つ “健康豆知識” などを紹介します。
正しく知れば怖くない大動脈瘤
市立長浜病院心臓血管外科 責任部長 榎本 匡秀(えのもと まさひで)

「大動脈瘤」という病気に、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。「怖い」「命に関わる」「手術が大変そう」など、ネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれません。
大動脈瘤とは、胸から腹にかけて走る太い血管である「大動脈」が、風船のように膨らんで「こぶ(瘤)」になる病気です。多くの場合は症状がなく、気づかないうちに大きくなってしまうことがあるため、ここがとても「怖い」点です。
大きくなった大動脈瘤が、もし破裂すると、突然これまでに経験したことのない激しい痛みに襲われ、90%以上の人が「命に関わる」と報告されています。そのため、破裂の危険が高くなる大きさに達した大動脈瘤は、破裂する前に手術で治療することが望ましいとされています。
手術には大きく2つの方法があります。1つ目に、開胸・開腹して行う人工血管置換術(確実性が高い方法)、2つ目に、足の付け根などからカテーテルを入れるステントグラフト内挿術(体への負担が少ない方法)です。
どちらの方法でも、破裂する前に行う手術であれば、近年の日本では手術に関連した死亡率は数%と報告されており、安全性は確立されています。決して簡単な手術ではありませんが、適切な準備を行えば、「しっかり乗り越えることができる」病気です。
大動脈瘤ができる原因には、加齢、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、ストレスなどが挙げられます。診断にはCTや超音波といった痛みのない方法で検査を行いますので、気になる方はぜひかかりつけ医にご相談ください。もちろん当科でも診断させていただきます。
「大動脈瘤」は、破裂する前であれば乗り越えられる病気です。患者さんと共に歩む医療を目指して、市立長浜病院心臓血管外科は皆さんをお待ちしています。
■問 市立長浜病院 電話 68-2300(代表)
